re:code(その4)
まず、このリンク先にある”Years“と名付けられた動画を見てほしい。
薄くスライスした木の円盤の年輪を光学的に読み取って、音へと変換されていく。
オーディオの世界では、レーザーで音溝を読み取って再生していく、
いわゆるレーザーターンテーブルが存在しているわけだから、
こういうプレーヤーが登場する技術的下地はすでにあったわけで、
この”Years”の登場に対しては、技術的な驚きは感じずに、そのアイディアの面白さに魅かれるところがある。
Yearsの光学ピックアップが読み取るのは、
木の年輪であるからアナログディスクの音溝のように刻まれたものではない。
つまり平面の円盤上に描かれている年輪を読み取っているわけだから、
同じことはアナログディスクでも可能となる。
ようするに、これまでのレーザーターンテーブルは音溝の形状を読み取って再生していたわけだが、
音溝ではなく、音溝と音溝のあいだを読み取ることも充分可能ということになる。
この部分の形状は隣接する音溝の形状によってきまる。
レコードが1回転するだけの時間のズレが、この部分の形状をつくっていくわけだ。
レコードはrecordであり、re:codeと考えるのであれば、
この部分からは、どんな音楽が変換されていくのだろうか、とこんなことを考えてしまう。