Date: 3月 19th, 2012
Cate: 表現する
Tags:

音を表現するということ(音の黄金比)

音は「バランスが大事だ」とかなり昔からいわれつづけている。

まずは帯域バランス。それから音色の硬軟のバランス。情緒的な面と知性的な面とのバランス、陽と陰とのバランス。
こうやって例をあげていくと、いくつでも出てくる。
これらのバランスが見事にとれいてる総合的な音は、見事な音といえることだろう。
それが、いい音であるのか、は措いとくとしても、ケチのつけようのない音であることは確かなはず。

ただ、バランスでも、特に対比的・対称的・対照的な面に関わってくるバランスにおいては、
1対1、つまりぴったり同等であることが、美しい音を生み出すとはどうしても思えない。

1対1ではなくて、すこしどちらかに傾いたバランス、
それはおそらく黄金比とよばれる比率になるのかもしれないが、
そういうバランスの音こそが、
そしてその比率が、ときに音楽の表情の変化によって逆転することのできる音のみが、
美しい音として認識されてゆくような気がする。

こんなことを書いてはいても、
ではどうやって音の、そういう面のバランスを数値化が出来るのか、と問われても答えられない。
結局は、耳で判断するしかないことなのだから、そこに黄金比をもってくるのはもともと無理がある考え──、
そう思われてもいい。同意してくれる方がいなくてもいい。私もそう思っているところがある。

それでも感覚的な黄金比は確かにある、と感じていて、
この黄金比を己の感覚として身につけることが、私にとっての「音を表現する」ということになっていく……。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]