Date: 1月 20th, 2012
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その56)

オーディオの面白さのひとつに、組合せの楽しさがある。
鳴らしたいスピーカーシステムに合うアンプ、以前ならばカートリッジ、いまはCDプレーヤーを探していく。
個々のオーディオ機器の基本性能が向上しているいまでは、
組合せで失敗といえるようなことは起りにくくなっている反面、以前のように黄金の組合せと呼ばれるような、
なにかすべてが有機的に結合したような見事な組合せ例はほとんどなくなりつつあるような気もする。
それでも別項で書いているように、組合せを思案するのは楽しい。
これは昔から変らぬオーディオの面白さ、楽しさだと思う。

この組合せも、アンプという狭い範囲で考えると、セパレートアンプの場合、
コントロールアンプとパワーアンプを同一メーカーで揃えるのか、
あえて他社製のコントロールアンプとパワーアンプを組み合わせるのか、
このふたつがある。

以前はよくコントロールアンプが得意なメーカー、パワーアンプが得意なメーカー、といったことがいわれていた。
これは裏を返せば、パワーアンプが不得手なメーカー、コントロールアンプが不得手なメーカーともいえる。
それに以前はどちらかだけをだしていたメーカーも少なくなかった。

けれど現在は、多くのメーカーがコントロールアンプもパワーアンプも出しているし、
以前のようにどちらが得意ということも薄れてきたようにも感じる。
そのためか、最近では他社製のアンプの組合せよりも同じメーカーの組合せを選ぶ人が多い、ともきいている。
たしかにそうなってきているのかもしれない。
メーカー推奨のコントロールアンプとパワーアンプの組合せであれば、失敗ということはまずない。
むしろ好結果が得られることが多いのだろうと、私も思う。

でも、私はやはりコントロールアンプとパワーアンプに関しても、
組合せの面白さ、楽しさを充分に感じとりたいし、味わいたいと以前から思ってきたし、いまもそうだ。

純正組合せはたしかにいい。でもそこに意外性はない。
意外性ばかり求めているわけではないけれど、意外性のまったく感じとれないもの(音)には魅力を感じにくい。

そんな私が、ブランドは異っているものの、いわば純正的組合せといえる、
GASのThaedraとSUMOのThe Goldの音に驚いた。
これは、ここまで書いてきたことと矛盾することのように思われるかもしれないが、
純正ゆえの意外性、と、あのときはそう感じていた。

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