Noise Control/Noise Designという手法(その28)
CDプレーヤーとコントロールアンプ間の接続ケーブルの片チャンネルを外す。
右チャンネルを外したとしよう。
コントロールアンプ、パワーアンプ間は通常通り両チャンネルとも接続しておく。
スピーカーは左チャンネルを外して右チャンネルだけの接続とする。
CDプレーヤーから右チャンネルの信号はコントロールアンプには、接続されていないから来ていないわけだが、
実際にはボリュウムをあげていくと左チャンネルの音が右チャンネルのスピーカーから聞こえてくる。
この状態ではコントロールアンプとパワーアンプのクロストークを聴いているわけになる。
このクロストークの出方も機種によって変ってくる。
音量は小さいながらも明瞭に音楽を聴こえてくるものもあるし、
やけに汚い音で聴こえてくるものもある。
それにクロストークで鳴ってくる音の周波数特性も広いものもあれば、狭い感じのものもある。
シャーシから独立したモノーラル仕様にすればクロストークは発生しないけれど、
ステレオ仕様であるかぎり大なり小なり発生している。
きれいな感じで聴こえてくるといっても、
もともとは反対チャンネルの信号であって、本来聴こえてきてはまずい音である。
いわゆるサーッとかジャーッとか、そういう類のノイズではないけれども、これもノイズである。
これは左右チャンネル間のクロストークであるが、
クロストークは各入力間でも発生する。
例えばアナログディスクを再生している時、
接続されているCDプレーヤーなりチューナーからの信号が
コントロールアンプのライン入力に送りこまれていると、アナログディスク再生に悪影響を与える。
もちろんその逆も起る。
これも簡単な操作で確認できる。
CDプレーヤーを再生しておいて、入力セレクターをPHONOにしてみたり、他のライン入力にしてみる。
そしてボリュウムをあげていくと、アンプの残留ノイズ以外は聴こえてこないはずなのに、
実際にはCDの再生音が聴こえてくる。
この聴こえ方も、機種によってそうとうに違っている。
これも、つまり入力端子が増えているからこそ発生するノイズである。