Date: 10月 18th, 2011
Cate: 「ネットワーク」
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オーディオと「ネットワーク」(その10)

4ウェイのスピーカーシステムのデヴァイディングネットワークとして、
一度に4つに分割する方式とLo-DのHS10000に採用されている順次二分式はどちらが優れているのか、
正直はっきりしたことはいえない。

ただ順次二分式だと最初の分岐点は並列型となるが、その次にくる分岐点からは直列型にすることも可能になる。
一度に4つに分割する方式では並列型のみ、という構成になる。
たとえばJBLの4343のように、
スイッチでネットワーク・モードとバイアンプ・モードを切り替えられるようにするためには、
一度に4つに分割する方式になってしまう。

つまり4343でバイアンプ駆動を考えなければ、
順次二分式のデヴァイディングネットワークにしてみるのも興味深い。
4343ではウーファーとミッドバスはコーン型で振動板の材質は紙。
ミッドハイとトゥイーターはホーン型で振動板にはアルミが使われている。

下2つのユニットと上2つのユニットは方式と振動板の材質が異るわけだから、
順次二分式にして、まずミッドハイとミッドバスのクロスオーバー周波数で2つに分割する。
そのあとは直列型のネットワークにするというのはどうだろうか、と考えている。

つまりウーファーとミッドバス、ミッドハイとトゥイーター、
それぞれ2つの、同じ形式、同じ材質の振動板をもつスピーカーユニット同士を直列型のネットワークに接ぐ。
順次二分式では、こういう自由度もある。

最終的な結果である音がどうなるのかは、実際に試してみないことにはなにもいえないし、
順次二分式が優れている、といいたいわけでもない。
HS10000を例としてあげたのは、デヴァイディングネットワークは分岐点とフィルターの組合せであり、
その組合せ方も一通りではない、ということである。

しつこいようだが、オーディオのデヴァイディングネットワークは分岐点だけでは成り立たない。
必ずフィルターが必要になり、このフィルターの捉え方を拡大していけば、
録音現場におけるマイクロフォンもある種のフィルターとみなすことができる。

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