Date: 10月 6th, 2011
Cate: 名器
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名器、その解釈(その5)

ウェストミンスター・ロイヤル/SEを名器と思えないのは、
なにもウェストミンスターが現行製品だから、というのが理由ではない。

JBLのパラゴンは、いまでは製造中止になってひさしいが、
私がオーディオに関心をもちはじめたころ(1976年当時)は現行製品だった。
実物を見たのは数年後であったし、
当時はパラゴンからは私が求めている音は出てこない、という思い込みもあったけれど、
それでもパラゴンは名器である、と感じていた。

同じタンノイのスピーカーシステムなのに、
オートグラフを名器として感じ、ウェストミンスターを名器とは思えない、
現行製品であってもパラゴンは名器と直感したのに、ウェストミンスターはそうではなかった。

誤解のないようにことわっておくが、
ここであげている3つのスピーカーシステム(オートグラフ、ウェストミンスター、パラゴン)では、
名器とは思えないウェストミンスター・ロイヤル/SEは完成度が高いところにあるといえるし、
鳴らしていくうえでの、いわゆるクセの少なさもウェストミンスターである。

ウェストミンスター・ロイヤル/SEはよく出来たスピーカーシステムだ、と思う。
なのに、どうしてもウェストミンスターは、私にとって名器ではない。

オートグラフに感じられてウェストミンスターに感じられないもの、
パラゴンに感じられてウェストミンスターに感じられないもの、
つまりオートグラフとパラゴンに共通して感じられるもの、とはいったいなんなのか。

「スケール」だと思う。

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