妄想組合せの楽しみ(その12)
オーディオにおける「組合せ」とは、スピーカーにアンプやCDプレーヤー、アナログプレーヤー、
さらにこまかくケーブルを含めたアクセサリーを選択していくことだけにとどまらないと、私は捉えている。
オーディオは、すべて「組合せ」だと考えている。
スピーカーシステムは、スピーカーユニット、クロスオーバーネットワーク、エンクロージュアから、
おもに構成されている。
こまかくあげていけば、吸音材、内部配線材、入力端子なども含まれ、
つまり、これらの集合体(組合せ)がスピーカーシステムである。
さらに構成部品ひとつをこまかく見ていけば、スピーカーユニットは、主な構成部品としては、
振動板、磁気回路、フレームであり、
これらもこまかく見れば、エッジ、ダンパー、ポールピース、ボイスコイル(およびボビン)などがある。
振動板に紙を選択したコーン型ユニットであれば、
どういうエッジを採用し、ダンパーの材質、形状はどうするか、
ボイスコイルはアルミを使うのか銅にするのか、エッジワイズ巻にするのかどうか、
ボビンの素材、厚み、強度は……、など、こまかいパラメーターの組合せであり、
どこかひとつを変えれば、特性も変化し、音も変わっていく。
構成要素の、比較的少ないスピーカーユニットでも、組合せの数は膨大となる。
そのなかから目的に添う組合せを選択するのが、設計ともいえる。
アンプとなると、とくにソリッドステートアンプをディスクリート構成で組むとなると、
その組合せは無数ともいえる。
ありきたりなものを安易に選択して組み合わせていくのか、
それとも細部に至るまで綿密に検討し、
ときに新しい回路(新しい組合せともいえるだろう)を生み出すのか。
回路が決定したとしても、実際にどうレイアウトするのかも,組合せといえるだろう。
こんなふうに書いて行くときりがないので、このへんでやめておくが、
およそ「組合せ」といえないものは、オーディオには存在しないのではないだろうか。