Date: 4月 24th, 2009
Cate: ジャーナリズム, 傅信幸
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「光を聴く旅」

いま「光を聴く旅」を読み返している。
サブタイトルは、MY CD STORY。傅さんのCDストーリーである。1987年に出ている。

背表紙に、黒田先生の文章が綴られている。
     ※
傅信幸は細い綱を渡った。一方には音楽という渓谷がひろがり、
一方にはオーディオという岩山がせまっていた。
傅信幸の渡った綱の先には、虹色の小さな盤があった。
彼は、コンパクトディスクのきかせてくれる< 音楽に耳を傾けつつ、 持って生まれた,まるで子供のような好奇心と実行力で、 西に飛び、東に走った。 コンパクトディスクは オーディオの最新技術がうみだした製品である。 しかし、傅信幸にとって、 それは、新しく登場した単なる道具ではありえず、 彼が愛してやまない音楽を刻んだ盤であった。 コンパクトディスクを物と考え、 その技術的解説に終始するところでとどまることも、 傅信幸にはできただろう。 しかし、傅信幸は、あまりにも音楽が好きだった。 そのために、彼は、 音楽を収納するコンパクトディスクのむこうに、 その誕生にかかわった人たちのドラマをみようとした。 そして、見事、彼は、細い綱を渡りきって、 その過程を、人懐っこさの感じられる、 達意の文章で綴った。      ※ 20年前に読んだときも、この黒田先生の文章にふかく頷いた。 そして、いま、もっとふかく頷いている。 SACD、DVD、Blu-Ray DVD、HD-DVDなど、直径12cmの光学ディスクが、いまある。 これらは、すべてCDから生まれてきた、といえるだろう。 そのCDは、どうやって、1982年10月1日に生まれてきたのか。 「光を聴く旅」は、出版されたのが早すぎたのかもしれない。 というよりも、絶版になっているのが、惜しい本である。 当時、読んだ人も、手もとにあれば、読み返してみてほしい。 面白さが、きっと増しているはずだ。 そして、「光を聴く旅」には、オーディオ・ジャーナリズムが、はっきりとある。

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