私にとってアナログディスク再生とは(その32)
カートリッジの、カンチレバーの先端にダイアモンドの針先がついている。
この針先がレコードの音溝をトレースして電気信号に変換していく。
このダイアモンドの針先の動きは上下左右だけでなく、
ステレオディスクが45/45方式でカッティングされているため、あらゆる方向へと音溝によって動かされる。
その動きの幅も音溝の振幅によって左右されるから針先が音溝から飛び跳ねる寸前まで動かされることもあれば、
ほとんど静止しているかのようなときもある。
このダイアモンドの針先の動きを、レコード片面の再生中撮影して、
光の線でその軌跡を拡大して表示したら、ダイアモンドが舞っているかのようにみえるのかもしれない。
ダイアモンドの針先がそういうふうに舞うことができるのは、
レコードが回転しているから、である。
レコードが回転を止めてしまったら、
どんなに優秀なカートリッジといえども、ダイアモンドの針先も舞うことを止めてしまう。
つまりレコードの回転(ようするにターンテーブル・プラッターの回転)がエネルギー源となっていて、
レコードの音溝とカートリッジが、音声信号へと変調している、ともいえる。
アンプもそうだ。
アンプ部にDC(直流)で供給される電源を、入力信号に応じて変調し、
外側から見るとそも入力信号を増幅して出力信号として送り出しているようにうつるのと同じことで、
アンプが電源部の回路・規模をふくめたクォリティによって音が変化するように、
アナログプレーヤーも、ターンテーブル・プラッターの回転が、いわばアンプにおける電源部にあたることになる。
この視点から、EMTの927dstとノッティンガムアナログスタジオのAnna Logを比較すると、
927Dstは交流を整流して直流にする電源、Anna Logはそうではなくてバッテリーにたとえられるのではないか。
REPLY))
レコード回転数に随分と拘って、45回転で厚版荷重負荷シリーズを75年当時は、
消滅した「第一家電」DAMが、会員相手に出版していたことご存知ですか?
REPLY))
1枚だけですけど、持っています。
グラシェラ・スサーナの45回転盤で、製造は東芝EMIです。
A面B面とも4曲のみのカッティングで、九州にいたときから、
第一家電の広告を見ては、上京したら、これだけは絶対に買うぞ! と思いつづけていた1枚です。
そのあとは、ケイト・ブッシュのシングルLPにずいぶんはまりました。