私にとってアナログディスク再生とは(その33)
すこし具体的に書けば、927Dstのイメージは大型の電源トランス(それも低磁束密度のコア採用)に、
容量も十分過ぎる平滑コンデンサーの組合せ、しかもチョークコイルも、チョークインプット方式で使っている、
電源の余裕度は、必要とされるエネルギー量の数倍、これまた十分にとってある。
あえて言葉で表現すると、こんなふうになる。
Anna Logはバッテリー電源のイメージなので、
商用電源を整流・平滑しての一般的な電源ほど贅沢な余裕度を確保するのは、やや厳しいところがある。
そのかわり出力インピーダンスは十分に低く、なによりもノイズが商用電源に頼る電源部と違い、
格段に少ない、というメリットがある。
なかばこじつけ的な印象を書いているが、
それでもこういうことを思わせる違いが、927DstとAnna Logの違いとしてあり、
それがこのふたつのプレーヤーの音の性格の違い──動と静──となっている。
そして、どちらも優秀な電源であり、それぞれに特徴があり、
私のなかには、どちらが理想の電源に近いのかという比較の対象ではない。
あくまではこれは、どこまでいっても個人的な感覚論にしかすぎない。
そして、その個人的な感覚論からいえば、
私にとってアナログディスクはエネルギー伝送、CDは信号伝送、というイメージへとつながっている。