Date: 8月 9th, 2011
Cate: アナログディスク再生
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私にとってアナログディスク再生とは(その22)

エンパイアの4000D/IIIは、いまのカートリッジの値づけからすると10万円くらいということになるのか……、
そう思うと、Anna Logで4000D/IIIが、どういう表情をみせ、
どこまで性能を発揮してくれるのはぜひ一度聴いてみたいけれど、
でももし4000D/IIIをいま自分のモノとして鳴らすとなったら、
Anna Logが4000D/IIIにとって最良のプレーヤーかと思えないところもある。

Anna Logで鳴らすことで、30数年前、4000D/IIIを聴いたときに、
その音に惹かれながらも欲しい、とは思わせなかった面がうまく補うように鳴ってくれるかも、という期待はあっても、
このカートリッジの音の性格からしても、もうすこし鮮明さの方向のプレーヤーでまとめたい、という気もある。

このあたりがアナログプレーヤーの面白いところで、
あるカートリッジをうまく鳴らすシステムが、別の個性のカートリッジを必ずしもうまく鳴らすとはかぎらない。
それに高価なモノが、それだけ優れているかというと、決してそうではない面もある。

4000D/IIIには、現行製品のなかから選ぶとしたら、Anna Logよりも、
同じイギリス製のウィルソン・ベネッシュのCircleを選びたい。
アクリル系のターンテーブル・プラッターの、石臼のような形をしたプレーヤーシステムだ。
残念なことに、いま日本にウィルソン・ベネッシュの輸入代理店は存在しない。
でもCircleはいまもつくられている。
輸入されたとしたら、いくらになるのかはわからないが、10年前に40万円を切っていたはず。

サイズはLPレコードとほぼ同じで、トーンアームのベースがせり出しているだけ。
外部電源もない。
Circleはもっと注目されてもいいはずだ。

Anna Logのノッティンガムアナログスタジオといい、ウィルソン・ベネッシュといい、
それにGyrodecのJ.A.ミッチェルといい、古くはゲイルやシネコのプレーヤーがある。
これらイギリスから登場してくるアナログプレーヤーには造形的に、
ほかの国からは出てこない魅力が共通してあるように受け取っている。

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