Date: 7月 28th, 2011
Cate: 組合せ
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妄想組合せの楽しみ(その45)

いまではティール・スモール・パラメーターによるエンクロージュアの最適化が、
パソコンの普及と高性能化のおかげで誰でもが手軽にできるようになった。

実際にシミュレーションしていくとわかることだが、
エンクロージュアの内容積をただ増やしていくだけでは低域のレスポンスに関しては、
必ずしも良好な特性とはならない。
使用するウーファーのティール・スモール・パラメーターによるけれども、
一般的にいって適正内容積のエンクロージュアではフラットな低域のレスポンスも、
最適値から外れて内容積を大きくしていくと低域のレスポンスはだら下りの傾向になる。
その下りはじめる周波数も、適正内容積のエンクロージュアにくらべて高くなりがちである。

だからエンクロージュアの内容積をむやみに大きくしても、それは自己満足であって意味がないどころか、
デメリットのほうが大きい、という意見がある。
たしかに低域のレスポンスを見る限りはそういえなくもないが、
その特性は無響室での特性のシミュレーションの結果でしかない、ともいえる。

そして実際のリスニングルームに置き音を出したときの聴感上、
自然な低音を聴かせてくれるのはどっちか、ということとシミュレーション結果は常に一致するものではない。

ヨークミンスターに採用されている同軸ユニットのティール・スモール・パラメーターがどうなのかはわからない。
だが25cmや38cm口径の同軸型ユニットと、
ヨークミンスターに搭載されている30cm口径のユニットだけが異る性格をもつものとは思えない。
にもかかわらずヨークミンスターだけユニットの口径に対して内容積が大きくとっている。
技術資料がないので憶測の粋をでないけれど、
ヨークミンスターはあえて内容積を大きくとることを選択したように思えてならない。

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