Date: 7月 26th, 2011
Cate: チューナー・デザイン
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チューナー・デザイン考(その3)

細かいことに要求をしなければ、FM放送はAM放送のような雑音もなく、
カセットデッキがあればエアチェックによって、自由に聴ける音楽は増えていく。
レコードを購入することに較べれば、ずっと少ない予算ですむ。
そういう意味では、コストパフォーマンスの高い音楽を聴く手段といえる。

けれどひとたびクォリティを求めるようになったら、
五味先生のように生放送の録音や、
その当時は毎年暮に放送されていたバイロイト音楽祭をできるかぎり最高の音で録音しようということになったら、
チューナーに最高のモノをもってくるだけでは無理で、多素子のアンテナも立てなければならない。
たとえフィーダーアンテナでも十分すぎる感度が得られていても、専用の多素子のアンテナを立てて、
感度が高過ぎたらチューナーとの間にアッテネーターを挿入した方が音の面では有利だ、と聞いている。
これは試聴したことがないので断言できないけれど、おそらくそうだと思う。

アンテナを立てるために必要な条件が実現することは、東京ではかなり大変なことでもある。
そうやって最大限受信したものをできるだけそのまま録音しようとしたら、
それなり、というよりも最高のデッキが求めたくなるものだ。
カセットデッキでも、ナカミチの1000のような製品もあるけれど、
限界まで目ざすのであれば、やはりオープンリールデッキで、それも2トラックの38cm/secのもの、
いわゆる2トラ38のモノに自然と行きつくことになる。

最高のチューナー、マランツの10Bもしくはセクエラを買って、専用アンテナも2トラ38のデッキも用意した。
これだけ揃えればすむというものではなくて、
クラシックの曲は、テープの録音時間などまったく考慮していない長さをもつものもあるから、
2トラ38では曲の途中でテープ交換の必要が出てくる。
カセットデッキでさえテープの交換には多少の時間がかかる。
ましてオープンリールデッキでは、カセットデッキのように片手でできるわけではないから、
ここは当然もう1台オープンリールデッキが必要となる。
できれば同じオープンリールデッキで揃えたい。
テープの価格も、オープンリールは安いとはいえない。

こうやって考えていくと、クォリティを求めていくとエアチェックの大変さが一気にましていく。

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