ワイドレンジ考(その64)
2ウェイという「枠」のなかでワイドレンジ化をはかっていたアルテックだが、
同じ西海岸の、そしてライバル視され、
比較されることの多いJBLが積極的にワイドレンジにとりくんでいたことと比較すると、
604シリーズや802ドライバーと組み合わせて使えるトゥイーターの不在は、
いつ出てくるのだろうか、という想いでみていた。
3000Hというマルチセルラホーンがついたトゥイーターはあったものの、
マイクロフォンユニットを元にして開発された、このトゥイーターは、
ほかのアルテックのスピーカーユニットの中にあっては、毛色の異るものだった。
無理にワイドレンジ化しないのがアルテックのよさ、といわれればそれまでだが、
私としては、アルテックが本気を出せば、どこまでワイドレンジ化を実現できるのかをみたかったし、
聴いてみたい、と強く思っていた。
けれどJBLと違い、スピーカーユニットの数も種類も少ない。
新規ユニットが開発されることはなさそう、となんとなく思っていたところに、
いきなり6041があらわれた。
アルテックがやってくれた! と思いながらも、
そこかしこに急拵え的にシステムとしてまとめた、という印象もあった。