好きという感情の表現(その12)
映画「ボルテスVレガシー」を観てきた。
日本のロボット・アニメーション「ボルテスV」が、
フィリピンで実写化されることを知ったのは、
四年ほど前、ソーシャルメディアだった。
さっそく友人のAさんに伝えた。
彼は私よりも熱心に見ていたようで、
私以上に完成を楽しみにしていた。
けれどコロナ禍によって撮影できない日々が続き、
その後の情報も一年に一回程度になっていた。
このままポシャってしまうのか……、そんなふうに思ったこともあった。
昨年から本格的に情報が伝わってくるようになった。
映画ではなく連続ドラマであること、
日本での公開は未定ということ、などだ。
10月18日、ようやく公開された。
日本向けに編集された映画であり、
ドラマの一話と二話目にあたる内容とのこと。
一本の映画としての出来は、それほど高いわけではない。
それでもコンピューターグラフィックによる戦闘シーンは、
映画館で、それも東京近郊で一番大きなスクリーンで上映されるところで観ると、
見応えがずっしりとある。
観ながら「シン・仮面ライダー」、「シン・ウルトラマン」と、どう違うのか、
そんなことを考えていた。
「ボルテスVレガシー」も、「シン・仮面ライダー」、「シン・ウルトラマン」も、
作り手側の思い入れが強くあってのものだ。
けれど、その思い入れに微妙なズレがあったように、
「ボルテスVレガシー」を観て思った。
Aさんも観たかっただろうな……、と思った、
Aさんに感想を送ろうとも思ったが、
Aさんはもう観ることができないし、感想を読むこともできない。