野口晴哉氏とWestern Electric 594A(その3)
励磁型スピーカーは聴いたことはあっても、
自分で鳴らしたことはなかった。
電源の違いによる音の変化を聴いているが、
それも自分でやったわけではない。
励磁型スピーカーの音は、きちんとした電源を用意できれば、
確かに凄い──、けれど電源による音の変化を聴いていると、
ボイルコイルとフィールド用コイルが近いことの弊害は、
意外と大きいのではないだろうか。
励磁型スピーカーの電源は、AC 100Vを整流、平滑して作られるDCなわけで、
AC電源のループの影響は、アンプよりも大きいのかもしれない──、
そういう疑問をずっと持っていた。
とはいえ自分で実験して試す機会はなかった。
励磁型スピーカーをバッテリー駆動した音は聴いたことがない。
その音を聴いていれば、上記の疑問への答のきっかけは掴めただろう。
こんなことを長いこと考えていたから、
今回、アンカーのPowerHouse 90と窒化ガリウムのスイチッング電源を組み合わせてみた。