井上卓也氏のこと(アンペックス MR70)
アンペックスのオープンリールデッキとオーディオ評論家といえば、
個人的には瀬川先生とAG440Bのことが、最初に浮ぶ。
ステレオサウンド 38号の特集「オーディオ評論家──そのサウンドとサウンドロジィ」、
そこで見た瀬川先生のリスニングルーム、
JBLとKEF、二つのスピーカーのあいだに、AG440B-2があった。
このAG440B-2は、49号の巻末のUsed Component Market(売買欄)に出ていた。
実働250時間、完全オーバーホール、オプションの4トラック再生用ヘッドなどがついている。
希望価格は125万円で、連絡先はステレオサウンド編集部気付になっていた。
38号では、山中先生のリスニングルームにModel 300があった。
井上先生の、当時のリスニングルームにはなかった。
先日、ある方と話していて、井上先生のことが話題になった。
井上先生のところで聴いたアンペックスのデッキの音はすごかった。
そんなことを話された。
AG440Bではないとのこと。
型番を忘れてしまったけれど、もっと大型で、
1/4インチから1インチまでのテープ幅に対応できたモデル──、
となると、MR70である。
井上先生はMR70をお持ちだったのか。
ステレオサウンド 44号、「クラフツマンシップの粋」はアンペックスで、
MR70のカラー写真も掲載されている。
このMR70は井上先生の私物だったのだろう。