Date: 2月 22nd, 2023
Cate: アンチテーゼ, 平面バッフル
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アンチテーゼとしての「音」(平面バッフル・その12)

スタインウェイに、Model Dというスピーカーシステムがある。

いくつかあるスピーカーのなかで、Model Dがフラッグシップモデルであり、
Model Dはリンク先をみればわかるように、エンクロージュアをもたない。

平面バッフル(オープンバッフル)のスピーカーシステムである。
しかも、そのバッフルに縦に長く、横幅は狭い。

これで低音の十分な再生が可能なのか、といえば、
アンプ搭載タイプであり、低域の補整を行っているのだろう。

振動板のストロークが大きいユニットであれば、
こういうプロポーションの平面バッフルでも、満足のいく低音は再生可能なのだろう。

実をいうと、シーメンスのコアキシャルを鳴らしていたころ、
こういう平面バッフルを考えたことがある。

低音のためには面積の広さが必要なのだが、
誰もが2m×2m級の平面バッフルを、部屋に置けるわけではない。

そのころシーメンスのコアキシャルを取りつけていたのは、
1.8m×0.9mの平面バッフルだった。

それでも狭い部屋では、かなりの圧迫感だった。
もう少し、幅を狭くできないものか──。
そんなことをよく考えていた。

縦に長い平面バッフル。
考えただけで、実行に移すことはしなかった。
スピーカーをセレッションのSL600にしたからである。

それでも、そのころからユニットの幅ぎりぎりまでに狭め、
縦に長いプロポーションの平面バッフルの音は、聴ける日が来るのか──、と思っていた。

スタインウェイのModel Dを聴く機会はそう簡単には訪れないだろうけれど、
それでもいい、と思うのは、
うまく低域を補整することで、うまくいく可能性がある、という確信が得られたからだ。

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