ジャーマン・フィジックス Troubadour 40のこと(その12)
ステレオサウンド 225号で、
小野寺弘滋氏は、《無指向性であっても曖昧さや茫洋なところのない、それでいて無指向性システムならではのリラックスした雰囲気をかもし出す無二の存在。》
とジャーマン・フィジックスのHRS130のところで書かれている。
ここで、小野寺弘滋氏がいうところの無指向性とは、
この項で書いてきている無指向性スピーカーのこととは思えない。
ビクターのGB1の代表されるような複数のユニットを搭載した多指向性を含めてなのか、
それともコーン型ユニットを上向きにして取りつけ、
円錐状のディフューザーがコーン紙前面にある、いわゆる間接放射型の無指向性を含めてなのか。
そのことが曖昧なままでの《無指向性であっても曖昧さや茫洋なところのない》のように感じる。
小野寺弘滋氏は、菅野先生のリスニングルームでTroubadour 40(80)は聴いてるだろうし、
それだけでなくステレオサウンドの試聴室、輸入元のところでもそうであろう。
そのうえで《無指向性であっても曖昧さや茫洋なところのない》としたのか。
なんとも曖昧なままの印象しか残らない。