B&W 800シリーズとオーディオ評論家(その18)
一週間前、「あるスピーカーの述懐(その41)」を書いていて思ったことがある。
なんとなく思っただけであって、確信といえるほどではないのだが、
ここでのテーマであることと、どこかでつながっていると感じた。
ここでのテーマは、あれほどB&Wの800シリーズを絶賛しながら、
なぜステレオサウンドの評論家は誰も買わないのか──、
このことに関して、B&Wの800シリーズは、
スピーカーの音を嫌いな人のためのスピーカーなのではないか。
そんなことをふとおもった。
二日前の「編集者の悪意とは(その25)」を書いたあとステレオサウンド 69号を眺めていて、
傅 信幸氏の文章が目に留った。
「いま、気になるハイエンドオーディオの世界」というタイトルの記事で、
最後の方に、こんなことを書かれている。
*
ぼく自身ふりかえってみて、レビンソンのML7Lを手にいれたのは、このプリは中味がカラでボリュウムがついているだけじゃないかとあきれるくらい普通の音だったからだ。自分と7Lとがグッドバイヴレーションした。
*
《中味がカラでボリュウムがついているだけじゃないか》、
いま聴けば、ML7の音は、もうそう感じないのかもしれないが、
それでも約四十年ほど前、傅 信幸氏にとっては、そうだったわけだ。
だからこそ、ML7を購入されている。