シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(パワーアンプは真空管で・その19)
初めて直列型ネットワークで音出ししたとき、
バイワイヤリングのスピーカーをシングルワイヤリングで鳴らす感覚で、
ウーファーを優先(上側)にした結線だった。
以前、書いているように6dB/oct.ならば、
並列型と直列型のコイルとコンデンサーの値は同じになるから、
直列型、並列型の組替えはすぐに行える。
そうやって並列型と比較試聴したうえで直列型を採用したわけなのだが、
しばらくはウーファーを上側にしたままだった。
パワーアンプの出力(プラス側)がまずウーファーに入り、
そのあとにトゥイーター(アース側)という結線である。
でも、やはり試してみないことには、ということで、
ウーファーとトゥイーターを逆にしてみた。
トゥイーターを上側(プラス側)、ウーファーを下側(アース側)である。
あくまでも試しにやってみただけであった。
聴く前から、バイワイヤリングのシングルワイヤリングでの音のような変化だろう──、
そんなふうに高を括っていたところがなかったとはいえない。
だから、鳴ってきた音にびっくりすることになる。
ウーファーが下側のほうが、より表現力が増す。
直列型ネットワークにおいては、トゥイーターを優先する結線がいいのか。
最初はそう考えた。
けれどどう聴いても、ウーファーがうまく鳴っている。
ということは、この結線(ウーファーがアース側)こそが、
ウーファー優先なのだとしたら──、
そんなふうに見方をかえてみると、
直列型ネットワークにおいて、アース側にウーファーをもってくることこそが、
ウーファー優先となること。
このことはアースに対して、ウーファーが直結されていること。
このことが大事なのだろう。