五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その31)
インターネットのおかげで、Stereo35の写真も、
けっこうな数を見ることが簡単にできる。
Stereo70とStereo35。
型番だけで判断すれば、Stereo70の小型版で、
同じようなレイアウトだと思いがちだが、
意外にもけっこう違うレイアウトである。
細長いシャーシーの中央に電源トランス、
その両側に出力トランス、両端に7247とEL84(二本)が並ぶ。
重量バランスも偏りなく、意外にいい感じのレイアウトである。
ただし、これをそっくりそのままコピーしようとするならば、
電圧増幅管は7247を使うしかなくなる。
ECC83とECC82を使って、という回路では、
それぞれの球のユニットの一つを使わずに余らせることになる。
手持ちの7199を使って、SCA35の回路で作るならば、
Stereo35そのままのレイアウトもすぐに採用できる。
このへんがちょっと悩むところなのだが、
この項のタイトルは無視できない。
私が作るアンプを参考にする人はいないだろうが、
それでもこういうタイトルをつけているのだから、
再現性のあるモノにしたい、という気持はもっている。
結局はECC83とECC82を使ってのStereo35の回路で、
レイアウト的には伊藤アンプのように仕上げたい。
けれどSCA35の電源トランスを使うと、整流管を使用できない。
ダイオードになってしまう。
ならば電源トランスは市販されているモノの中から選ぶか。
そうなるとトランスの外観の統一感がなくなってしまうし、
SAC35の電源トランスの使い道がなくなってしまう。
でも、こんなことにこだわりすぎてしまうと、
いつまでたってもとりかからずに──、となってしまうから、整流管はあきらめる。
世の中には、整流管よりもダイオードだろう、という人が多い。
ダイオードを推す人たちのいうことはわかるのだが、
電源回路において電気的共振を目を向けると、
整流管の使用はデメリットばかりではない。
それに市販のシャーシーを使うのだから、伊藤アンプそっくりになるわけではない。
けれど無線と実験に載っていた6V6のシングルアンプの例もある。
このアンプの仕上がりを参考にしながら、
トランス類、真空管のレイアウトを考えている。