Date: 5月 24th, 2022
Cate: ハイエンドオーディオ
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FMアコースティックス讚(その5)

その1)は昨年11月5日に書いている。
まだこのころは、FMアコースティックスは飛び抜けて高価なアンプだった──、
とつい過去形で書いてしまいたくなるほど、
同じくらい、さらにはもっと高価なアンプが続けて登場している。

そのためもあって、FMアコースティックスの高価さがさほど目立たなくなっている。

FMアコースティックスのアンプは、
最近の高価すぎるアンプのなかにあっては、
さほど外観にお金を掛けているという印象は薄い。

以前からの変らぬ外観で、当時の価格ならば、この外観もありかな、ぐらいに思えたけれど、
その後の値上げのすごさによって、もう少し外観をどうにかしないのか──、
そんなことを思うようにもなっていた。

けれど、ここ数ヵ月のハイエンドオーディオのアンプだけに限らず、
スピーカーシステムなどの外観を見いていると、
FMアコースティックスの外観が、逆に好ましく感じてしまう。

どこか己の筋肉美を誇張して見せようとしているかのような外観とは、
FMアコースティックスは無縁であるからだ。

とはいえFMアコースティックスの魅力は、やはり、その音である。
いろいろなアンプと比較するなど、じっくりと聴いたことは一度もないが、
聴くたびに、短い時間であっても、FMアコースティックスの音、
特に低音の素晴らしさには、いつも聴き惚れてしまう。

FMアコースティックスで聴いた後に、他のアンプで鳴らされる音を聴くと、
スピーカーは同じ、セッティングも同じ、変ったのはアンプだけなのに、
低音の表現力の豊かさが失われてしまった、と感じる。

山中先生がステレオサウンド 47号で、FM600A、FM800Aの音について、
《きわめて充実感のある中域量感たっぷりな低音部はこのアンプ特有のキャラクターで、ユニークなアンプの出現といえよう》
と評価されていることを引用しているが、
この音は、ずっと受け継がれているような気がするのだ。

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