ボンジョルノとレヴィンソン(THAEDRAとJC-2・その2)
ジョン・カール・モディファイJC2以前に、
JC2の音は聴いたことがなかった。
私がオーディオに興味を持ちはじめて数ヵ月後には、
LNP2、JC2の入出力端子がLEMO端子に変更され、
その他、内部も変更されたことで、型番の末尾にLがつくようになった。
もっともLがつくのは日本だけの型番であって、
並行輸入対策であった。
JC2Lは、すぐさまML1(L)となった。
ML1の音は聴いていた。
でもJC2、それも初期の、ツマミが細長いタイプの音は、
「世界のコントロールアンプとパワーアンプ」の’76年版を読んでは、
それまで聴いたマークレビンソンの音から想像するしかなかった。
そうやって頭のなかに描いてきたJC2の音と、
実際に自分のシステムに組み込んで鳴ってきたJC2(モディファイ版)の音は、
大きく違うことはなかった。
なので満足していたといえばそうだった。
けれど、その音に衝撃を、もしくはそれに近いものを受けたわけではなかった。
JC2は使い続けてもよかったのだが、友人がどうしても欲しい、ということで、
譲ってしまった。
それからしばらくしてGASのTHAEDRAを手にいれた。
THAEDRAには、さほど期待していなかった。
ただSUMOのThe Goldを使っていたから、
それに別項で書いているように、The Goldを手にいれた時、
THAEDRAもそこにあったけれど、予算が足りずに諦めたことも重なって、
一度はボンジョルノの意図した音を確認しておきたかった──、
そのぐらいの気持であった。
なのに鳴ってきた音は、衝撃といえるレベルだった。