録音フォーマット(その2)
昨年秋に、「イージー・ウィナーズ〜PJBEへのオマージュ」が発売になった。
PJBEとは、いうまでもなくフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのこと。
アーク・ブラスという結成されたばかりブラス・アンサンブルのデビューCDである。
録音は、オクタヴィア・レコードの江崎友淑氏。
この録音についてはオーディオアクセサリーが記事にしているし、
音元出版のPhile Webでも公開されているので、読まれた方もいよう。
ライナーノートにも書いてあるように、
この録音は352.8kHz、24ビットである。
352.8kHzは、44.1kHzの八倍。
352.8kHzは96kHzの整数倍ではない。
96kHzの四倍、384kHzのほうが、スペック的には352.8kHzよりも上だし、
少しでもサンプリング周波数が高い方がいいと短絡しがちな人へのアピールにもなろう。
なのに352.8kHzなのは、おそらくCDでの発売を考慮してのことだろう。
整数倍であることは、それほど音質に影響しない、という人もいる。
とはいえ、実際に自分の耳で確かめることはできないし、
素直に、それを信じられるかというと、そうではない。
たとえそうであってもなんとなく精神衛生上すっきりしないものを感じる。
96kHz、24ビットが録音現場の標準フォーマットなのはわかる。
それでもCDで発売するのであれば、
44.1kHzの整数倍の88.2kHz、さらには176.4kHzでリマスター処理をしてほしい、と思う。
なので「イージー・ウィナーズ〜PJBEへのオマージュ」の352.8kHzは、
やっぱり整数倍なんだな、とつい確信してしまう。
けれど不思議なのは、
「イージー・ウィナーズ〜PJBEへのオマージュ」はe-onkyoでも配信されている。
こちらは96kHz、24ビット(flacとWAV)である。
88.2kHz、176.4kHzではない。