SAE Mark 2500がやって来る(コントロールアンプのこと・その17)
プレシジョン・フィデリティのC4は、いい管球式コントロールアンプだった、と思う。
回路的にも面白いと思っている。
それでも内部写真を見ると、回路は洗練されているといえても、
造りはそうではない。
プリント基板の採用だけでなく、プリント基板のパターン含めて、
およそ洗練されているとは言い難い。
プレシジョン・フィデリティのC4の回路そのままで、
Independence TypeIIや上杉先生発表のアンプのように配線していったら、
さらには昔ながらの管球式アンプの配線であったならば──、と思う人は、
私以外にもきっといるはずだ。
(その8)でちょっとだけ触れたKTS Audioというブランドによる
C4をベースにWaltzというコントロールアンプは、まさしくそうである。
プリント基板を使っていないのだ。
世の中、同じことを思う人がやはりいる。
Waltzがどんな音なのかはわからない。
聴く機会はない、と思う。
それでもいい。
管球式アンプにプリント基板を使うことに抵抗を感じる人がいて、
プリント基板を採用した過去のアンプを、手間のかかる配線によってよみがえらせている。
このことが嬉しいのだから。
プレシジョン・フィデリティのC4の程度のいい中古と出逢うことは、期待していない。
ならばWaltzのように、自分でつくるという手がある。
SAEのMark 2500と組み合わせるコントロールアンプとして、
ソリッドステートならば、いまでもマークレビンソンのLNP2なのだが、
管球式ならば、C4の自作ヴァージョンかな、と真剣に考えている。