SAE Mark 2500がやって来る(コントロールアンプのこと・その16)
ハルアンプのIndependence TypeIIと
上杉先生のステレオサウンド 45号発表のコントロールアンプ。
回路がまったく違うアンプであり、
上杉先生のアンプは外部電源ということもあって、
左右チャンネル対称といえる部品配置であるが、
プリント基板に頼らない配線ということは共通している。
プリント基板の採用は、大量生産するメーカーにとっては、
品質管理の上でもなくてはならないものであることは理解している。
それでも管球式アンプでは、
プリント基板に頼らないでほしい、という気持が私にははっきりとある。
とはいえラックスでもプリント基板を採用していたし、
ラックス規模のメーカーであれば、
海外の新興メーカーよりも生産台数はずっと多いはずだから、
プリント基板を採用することで、コストを下げることにつながっている。
くり返しになるが、それでも……、とやっぱり心の中でつぶやきたくなる。
ハルアンプと上杉先生のアンプは、プリント基板のメリットも活かしつつ、
プリント基板とは、そうとうに違う。
ベースに銅板かベークライトの板か。
どちらがいいのかは一概にはいえない。
銅板は導体である。
ベークライトはそうではない。
それに指で弾いた音も、銅とベークライトでは違う。
Independence TypeIIの実機を、内部をしげしげと見たことがないのでなんともいえないが、
銅板を使うことでベタアースが可能になる。
ベークライトではそうはいかない。
アースの処理をどうするのかは、昔から論争がある。
Independence TypeIIがベタアースでなかったとしても、
銅板はシールドとしても働く。
同じ回路、同じ部品配置だとしても、
銅板とベークライト板では、そうとうに音は違ってくる。
以前、テフロンのプリント基板が話題になった。
テフロンの電気特性の優秀さゆえに、音が良い、
そんなふうにいわれていたけれど、
テフロン基板と、一般的なガラスエポキシの基板とでは、指で弾いた音がそうとうに違う。
私は、このことが音の違いに大きく影響していると捉えている。