SAE Mark 2500がやって来る(2500とM6000のこと・その6)
ヒートシンクだけを比較するならば、
SAEのMark 2500とラックスのM6000の出力がどちらも300W+300Wとは思わない。
Mark 2500はファンつきの強制空冷であっても、
ここまでヒートシンクの物量が違うものなのか。
ずっと以前、無線と実験で、柴崎 功氏が、
オーディオ機器に欠かせない部品に関して、
国内のメーカーの技術者にインタヴューした連載があった。
ずいぶん前、1980年ごろだったと記憶している。
その連載でヒートシンクのメーカー(どこだったのかは忘れてしまった)の回があった。
いくつか記憶に残っていることがある。
よく出力が同じでも、A級動作とAB動作とではヒートシンクの規模が違う。
とうぜんA級動作のアンプのほうが大きなヒートシンクを必要とする──、
そんなふうに言われているし、そう思い込んでいる。
けれど、ヒートシンク・メーカーの技術者によれば、
アンプの動作(A級、B級)に関係なく、最大出力で決る、ということだった。
たっぷりのアイドリング電流のA級100Wのアンプ、
純B級といいたくなるほどアイドリング電流を流していない100Wのアンプ、
発熱量は一般的な使い方であればA級100Wのアンプのほうが多い。
だからこそ、A級アンプには大きなヒートシンクということになるし、
実際の製品も、ほとんどの場合がそうである。
ところが最大まで出力を出すことを前提とするならば、
アンプの動作方式はヒートシンクの大きさには関係なくなり、
最大出力の値こそが重要である、ということだった。
四十年ほど前の記憶だが、おおよそ、そんなことだったはずだ。