Date: 3月 31st, 2011
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その41)

ハニカム・エンクロージュアの問題点は、ハニカム構造に起因していることであって、
それを抑えるには、どうしたらいいのか考えてみたけれど、
それを試すには、ハニカム素材を造る段階で手を加えなければならない。

できあがったハニカム素材には手を加えられない。
だから試すことはできなかった。もし製造段階に関われたとしても、
私の考えていることを実際にやろうとすると、調達する材料のコストはそれほどかからないものの、
手間は大幅にかかることになる。

その効果は、ウールの吸音材をかぶさせときの音から想像はできるものの、
いちどは聴いてみたかった、だけど聴くことのかなわない音のひとつである。

それでもネットワークをいじり、パワーアンプをThe Goldにして、
その他にもいろいろとこまかい調整をしていくことで、いまふりかえってみると、
意識していたわけではないけれど、いまはっきりと意識して求めている方向へともっていっていた。

いっておくが、吸音材をSL600にかぶせた状態で聴いていたわけではない。
私は、ときに既製品を手を加えることもある。だがひとつ守っている、というか、自分で決めていることは、
絶対に外観からは手を加えているとはわからないようにしておくことだ。

手を加える前の下準備となる実験では、SL600に吸音材をかぶせたりしてみる。
スチューダーのCDプレーヤーのA727に手を加えたときも、実験用として、
フィリップスのピックアップ・メカニズムとD/Aコンバーターを搭載した、
つまりほとんど同じ構成のCDプレーヤーを購入して、徹底的に加えて、その音の変化を聴いてみた。
最終的にはトレイも外し、ディスプレイも消した。
そこまでして得たものを、できるかぎりA727に応用した。もちろん外観はいっさい変えずに、である。

外観まで変えてしまうことに対して、批判的なことをあれこれいいたいのではなくて、
それはその人が、それぞれ判断すればいいことであって、
私はただ、外からみただけでは、手を加えているのかどうかすら、わからないようにしたいだけである。

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