SAE Mark 2500がやって来る(2500とM6000のこと・その3)
M6000のことをこうやって書いていると、
DA07のことを思い出す。
1988年に登場した、このD/Aコンバーターは、大きかった。
200W+200Wクラスなみの大きさと重さのD/Aコンバーターだった。
ラックスのずんぐりむっくりのプロポーションは、
いま思えば、このDA07から始まったのかもしれない。
とにかくDA07の筐体は、それまでのラックスのイメージからはほど遠く、
その時は感じられたのだが、いまM6000のことを書いていると、
ラックスという会社は、
いきなり、こういう大きさと重さの製品を出してくるところがあることに気づく。
M6000という超弩級のパワーンア符の存在が、十年以上前にあったのだから、
ラックスはDA07というD/Aコンバーターを世に送り出した──、
というより送り出せたのではないだろうか。そんな気がする。
M6000は前脚は通常の固定脚だが、後脚はキャスターになっている。
多少なりとも扱いやすいように、という配慮だろう。
でも思うのだが、横幅が57cmあるから、そのころ発売されていたラックには収まらない。
収まるようなラックがあったとしても、重量が52kg。
そうとうに頑丈に作られたラックでなければ、やはり無理である。
あの時代、M6000を購入した人たちは、どうしていたのだろうか。
ラックを特註したのか、それとも床に直置きしていたのか。
私は見たことがないが、鉄フレームの専用ラックも発売されていた、ときいている。
そういうモノまで用意するくらいなら、モノーラル構成にしたほうがよかったのでは──、
とは多くの人が思うはず。
M6000の内部は、
電源トランスから左右チャンネルで独立しているデュアルモノコンストラクション。
モノーラル仕様だったら、入出力端子のすんなり設けられただろうし、
専用ラックを用意することもなかったわけだ。
それでもステレオ仕様にこだわったのは、
マッキントッシュのMC2300の存在を意識してのことのようにおもえる。