Date: 7月 5th, 2021
Cate: VUメーター
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VUメーターのこと(その23)

SAEのMark 2500と同時期のパワーアンプに、
マランツのModel 510Mがあった。

1970年代後半のステレオサウンドのリファレンス・パワーアンプでもあった。

ステレオサウンド 43号の特集ベストバイで、
井上先生は《標準アンプ的に使えるマランツの伝統をもつ音は信頼度が高い》、
瀬川先生は《いわゆる音のクセというほどの色づけは感じられず、音質評価の基準として使うことができる》、
と評価されている。

510M(525,000円)には、メーターがついていた。
その510Mには、メーターを省いたModel 510(475,000円)があり、
完成後の測定で、特に優れた個体をピックアップして、
8mm厚の19インチ・ラックマウントのパネル仕様のModel P510M(565,000円)もあった。

この三つの仕様の510の音は、それぞれどう違っていたのだろうか。

510MとP510Mの違いについては、
1978年発行の「世界のコントロールアンプとパワーアンプ」のなかで、
井上先生は《リファレンス用の♯510Mよりも余裕のあるスケール感タップリの音であり、ソリッドさ、タイトさの面では不足気味かもしれない》、
瀬川先生は《そのほんのわずかな違いを拡大していえば、510Mにくらべてこちらの方がいくつか反応がおっとりしている》、
こんなふうに表現されている。

P510MのPはprofessionalの頭文字である。
だから19インチ・ラックマウントパネル仕様なのだ。

セレクト品だからの音の違いもあるだろうが、
8mm厚のフロントパネルの違いも、違いの要因として無視できないはずだ。

510Mのフロントパネルの厚みがどれだけなのかは、はっきりとしないが、
P510Mが、わざわざ8mm厚と謳っていることからも、8mmよりも薄いはずだ。

しかもフロントパネルの横幅が違う。
510Mの横幅は39.0cm、P510Mは48.3cm。
厚みも違うのだから、重量も違うわけだ。
それにラックハンドルもついているから筐体の違いは無視できない。

私が510MとP510M以上に、その音の違いがどれだけなのか知りたいのは、
510Mと510(メーターの有無)の違いである。

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