SAE Mark 2500がやって来る(2500とA68のこと)
SAEのMark 2500と同時期に、
瀬川先生が愛用されていたパワーアンプに、スチューダーのA68がある。
A68はプロ用のパワーアンプのため、
コンシューマー用とは、かなり違う構成となっている。
ブロックダイアグラムをみると、
まずAFフィルター(コイルとコンデンサーで構成)がある。
そのあとに、1:1のトランス、レベルコントロール、
それからゲイン14dBのプリアンプ部、カットオフ周波数50kHzのローパスフィルター、
これらの回路が、いわゆる通常のパワーアンプ部の前段にある。
パワーアンプ部の電圧増幅部のゲインは21dB、
出力段はトランジスターの3パラレル・プッシュプルとなっている。
A68もまた、FETを使っていない。
プリアンプ部もパワーアンプ部も能動素子はトランジスターのみで、
定電圧電源も、その点は同じである。
EMTのプレーヤー搭載のイコライザーアンプの155stも、
すでに書いているように、FETは使っていない。
Mark 2500もそうであり、A68もである。
FETを使っていないアンプを愛用されていたことは、単なる偶然であろう。
FETを使っていないアンプを探しての選択ではないことはわかっている。
それでも、このことは素通りできない事実であるように感じている。