Date: 4月 25th, 2021
Cate: Wilhelm Backhaus
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バックハウス「最後の演奏会」(その19)

facebookでの(その17)へのコメントに、こうあった。

「骨格のある音」と「それ以外の音」、
「EMTの鳴らす音」と「それ以外のプレーヤーの音」とあった。

トーレンスの101 Limitedを使われている方からのコメントである。
いうまでもなく101 LimitedはEMTの930stと同じである。

私も20代のころ、101 Limitedを使っていたから、よくわかる。
別項「EMT 930stのこと(ガラード301との比較)」で、音の構図について触れた。

このことも、骨格のある音と密接に関係している。

そして音の構図の確かさがあってこその、ステージの再現である。

アナログディスク全盛時代には、骨格のある音、音の構図の確かなプレーヤーがあった。
数はそう多くはなかった、というよりも、少なかったけれど、確実に存在していた。

そういう音と接してきた耳とそうでない耳とでは、求める音が違って当然である。
直観的に捉えられる音に違いも生じてくる。

私より若い世代となると、アナログディスクではなく、
CDで音楽を聴き始めたという人が多いであろう。

CDプレーヤーで、骨格のある音、音の構図の確かなモデルもあったけれど、
それはアナログプレーヤーにおける割合よりもさらに小さかった。

ディスクに刻まれている音をあますところなく再現したからといって、
骨格のある音になるとはかぎらないし、
音の構図が確かなものになるともかぎらない。

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