オーディオ入門・考(続・問と聞のあいだに)
入門の門(もんがまえ)に口がつくと問、耳がつくと聞になる。
ここでの口と耳はひとりの人物の口と耳ではないはず。
ある人の口から問いが発せられる。
それを別の誰かの耳が受けとめる(聞く)。
ならば問と聞のあいだにあるのは、音である。
門(もんがまえ)と音で、闇になる。
問・闇・聞なのか。
上記のことを六年前に書いている。
いま読み返していた。
聞が音楽のききてとすれば、
問は音楽を発しているのだから、演奏家でもあり、
オーディオの世界に限定すれば、スピーカーとなるのか。
問がスピーカーだとすれば、闇はオーディオの音ということになる。
問が演奏家ならば、闇はオーディオという録音と再生の系となる。
闇は、やみである。
「五味オーディオ教室」に《音の歇んだ沈黙》とあった。
音の歇(や)んだ沈黙、である。
(やみ)は、止みでもある。
ならば歇み、でもあるのか。
闇は《音の歇んだ沈黙》なのだろうか。