4343と国産4ウェイ・スピーカー(その22)
ダイヤトーンのDS505は見た目からして、
アラミドハニカムの振動板をウーファーとミッドバスに採用したとで、
それまで紙コーンが黒色に対して、山吹色といったらいいか、色合いからして、それまでと異る。
ミッドハイ、トゥイーターのドーム型も振動板とボイスコイルボビンを一体化したDUD構造とするなど、
いわばダイヤトーンとしての新世代のスタートを切るスピーカーでもあった。
それをブックシェルフ型で、価格も38万円(ペア)というところで出してきて、
市場の反応を見るというのが、日本のメーカーらしいといえよう。
DS505の音だが、実は一度も聴いたことがない。なかなか聴く機会がないまま、
ステレオサウンドで働くことになり、しばらくしたらDS5000が登場してきた。
ダイヤトーン新世代スピーカーの頂点にあたるモデルとして開発されたDS5000が、
ステレオサウンド試聴室に搬入されたとき、
ダイヤトーンの技術者が「4343が置いてあった場所にそのまま置けます」と言ったのをはっきりと憶えている。
4343の横幅は63.5cm、DS5000の横幅も63.5cmは同じで、
4343からの買い替えを狙って、この横幅に決定した、とのことだった。
奥行きは、4343が43.5cm、DS5000が46cmとすこしだけ大きいが、
4343はサランネット装着すると、奥行きは46cmくらいになる。
高さは、4343が105.1cm、DS5000が105cmと、徹底して4343を意識した寸法となっている。