Date: 10月 2nd, 2020
Cate: ディスク/ブック
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Hotel California(その7)

オーディオマニアは、AとBとに分けられる。
こんなことをたまにみかける。

オーディオマニアに限らず使われているのだから、
またか、と思う。
そう思うくらいなので、個人的にはあまり使いたくないのだが、
身体が憶えている音に関しては、これを使いたい。

身体が憶えている音を持っているオーディオマニアと、
持っていないオーディオマニアがいる──、とに分けられるとはいえそうに感じている。

以前はそんなこと感じなかったし、考えてもいなかった。
けれど、二年前のOTOTENのハーマンインターナショナルのブースで、
“Hotel California”が、当時発売されたアナログディスクで鳴らされた。

スタッフの個人所有のディスクだった。
その人は、ずっと、そのディスクで“Hotel California”を聴いていたはずだ。
もちろんアナログディスクだけではなく、CDでも聴いていたであろう。

でも“Hotel California”が発売されたころからのアナログディスクである。
それを最新のシステムで再生して、その人は満足していた様子だった。

それはそれでいい。
ケチをつけることではないのだが、
このスタッフの人は、当時どんな音で“Hotel California”を聴いていたのだろうか、
と考えてしまった。

私は“Hotel California”のディスクを買うことはなかったけれど、
JBLの4343で聴いた音が、いまも残っている。
身体が憶えている音として、残っている。

だからこそ二年前のOTOTENでの“Hotel California”の音には、
こんな音……、と思うところがあったし、
そのころ聴く機会が続いたいくつかのリマスター盤での“Hotel California”にも、
こんな音……と思っていた。

そんなことがあったから、
身体が憶えている音を持っているオーディオマニアと、
持っていないオーディオマニアとがいるように、ここにきて考えるようになった。

身体が憶えている音を持つ持たないについて、
項を改めて書きたい。

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