Date: 9月 13th, 2020
Cate: トランス, フルレンジユニット
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シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(パワーアンプは真空管で・その7)

インダクタンスが高くて、直流抵抗が低い──、
こう書いていて、そういえば、と思い出したのが、
真空管アンプ、それもかなり古いアンプに用いられていたグリッドチョークのことである。

ずっと昔の三極管はグリッド電流が多いという問題があった。
そのためグリッド抵抗よりも、直流抵抗が低くできるグリッドチョークが、
いわば必須といえた。

古典的といえる三極管を採用した、昔のアンプの回路図をみても、
真空管アンプの回路の歴史を解説した記事をみても、
グリッドチョークは必ず登場する。

けれどグリッドチョークの採用したアンプを、
私は聴いたことはない。

三極管でも、有名なウェスターン・エレクトリックの300Bは、
グリッド電流が少ないため、グリッドチョークではなく、
グリッド抵抗で、しかも高めの値で設計できる。

良質な抵抗とグリッドチョーク。
どちらが音がいいのかは、聴いたことがないからなんともいえない。

ただ、抵抗とチョークコイルとでは、
価格がずいぶん違うし、それ以上にスペースの違いの問題は、
アンプを自作するうえでは、このことは大きな違いとなってくる。

グリッドチョークの真空管アンプは、自作する以外に、
これからも聴く機会はないだろう。

それでも今回の実験で、グリッドチョークへの関心は急速に増しているし、
それだけでなく、スピーカーユニットに対してのグリッドチョークの応用も考えている。

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