Date: 6月 10th, 2020
Cate: Cornetta, TANNOY
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TANNOY Cornetta(その2)

HPDシリーズのユニットは、
タンノイがハーマンインターナショナル傘下時代の製品である。

そのことから推測するに、
HPD298のコーン紙の裏面に塗布されている特殊な塗料というのは、
JBLのランサプラス的な性質をもつものなのか。

それだけでなくIIILZ MkIIとHPD295とでは、ウーファーのコーン紙の形状も少し違う。
HPD295のほうが、奥に長くなっている。
つまり中高域のホーンの延長であるコーン紙の形状に変化があるということは、
途中からホーンの拡がり方に違いがある、ということにもなる。

こまかなことをいえば、エッジも違う。
HPD295はウレタンのロールエッジである。

なぜ、このような変更がなされたかについては、
「世界のオーディオ」のタンノイ号掲載の「わがタンノイを語る」のなかで、
タンノイのリビングストンが答えている。
     *
 モニターゴールドのとHPDのドライバーのエッジを見ていただくと、おわかりいただけると想うのですが、モニターゴールドの形態というのは波型になっていますが、HPDではこれがより単純な形態になっています。モニターゴールドで、なぜこのような奇妙な形になっているかというと、音のダンピング効果を出すためにこういう形にしたわけです。エッジにはダンプ剤をモニターゴールドまで塗布していたのですが、この工程は、1時間もかかるのです。それに対し、HPDのウレタンフォームのロール状の性能はむしろモニターゴールドよりもアップし、なおかつ生産工程の単純化が図れて、このエッジを作るのにわずか3分で済むというわけです。
     *
エッジの形状の変化、材質の変化、
どちらもハーマンインターナショナル傘下ゆえのことのようにも思える。

このエッジの変更も、ウーファーのコーン紙がホーンの延長となっていることを勘案すると、
ホーンの開口部の形状の変更といえるわけで、
中高域のみを鳴らした状態で、ユニットの新旧を比較試聴してみても、
かなりの変化が聴きとれるように思われる。

もっとも同程度のコンディションの、新旧のユニットが揃うことは、ほぼないわけで、
現実には、コンディションの違いも含めての比較試聴ということになる。

それでも違いは、現実には存在する。

どちらがいいのかは、個々人が決めることであって、
私としては、今回手に入れたコーネッタにはHPD295Aがついているという事実を、
そのまま受け入れるだけのことだ。

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