Date: 5月 8th, 2020
Cate: High Resolution
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MQAで聴きたいグルダのモーツァルトの協奏曲(その3)

モーツァルトのピアノ協奏曲、第20番を初めて聴いたのは、
ハスキルとマルケヴィチ/コンセール・ラムルー管弦楽団だった。

名盤の誉れ高い一枚だった。
ひところ、モーツァルトの二短調のピアノ協奏曲といえば、こればかり聴いていた。
ほかのレコードを持っていなかった、ということもあった。

ハタチ前後のころは、他にも聴きたい(買いたい)レコードが山ほどあった。
同じ曲がダブるのはしかたないとしても、できるだけ多くの曲を聴きたいころでもあった。

それにお金もそれほどあったわけでもない。
そんな事情で、グルダとアバド/ウィーンフィルハーモニーも素晴らしいという評判なのは知っていても、
買う順番として後回しにしていた。

ハスキルとマルケヴィチの演奏の次に印象深かったのは、
内田光子とジェフリー・テイト/イギリス室内管弦楽団による演奏だった。
録音も素晴らしかったので、これまたくり返し聴いた。

そうなると、なんとなく私のなかにはモーツァルトの二短調のピアノ協奏曲は、
女性ピアニストがいい、というひとりよがりなイメージができあがりつつあったから、
よけいにグルダとアバドは後回しになっていった。

グルダとアバドによる録音は、1974年。
グルダは1930年、アバドは1933年の生れだから、
どちらも40代の演奏・録音ということになる。

内田光子とテイトによる演奏・録音とは、ずいぶん性格の違うものだった。
もっと早く聴いていれば──、そんなことも思いもしたが、
いい演奏は、結局いつ聴いてもいい。

あえていえば、ハスキルとマルケヴィチ、内田光子とテイトをくり返し聴いていたからこそ、
よけいにグルダとアバドのよさが感じとれたともいえるかもしれない。

25番と27番のカップリングも、だから期待して聴いた。
けれど20番と21番のカップリングだけでもいい、といいたくなるところも感じた。

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