スイッチング電源のこと(その11)
アムトランスにルンダールのLL1658を注文した二日後に、
Mさんという、218ユーザーの方からメールがあった。
リン用に是枝重治氏が製作されたものを使って、218を240Vで使っている、とあった。
小椋佳の「彷徨」(MQA-CDで出ている)が、
広がりと密度が共存する音場で聴けるようになった、とも書いてあった。
やっぱりそうなのか、と思いつつ読んでいた。
スイッチング電源搭載のオーディオ機器を、
200Vもしくは240Vで駆動させている人はいる。
どのくらいいるのかまではわからないが、
自分の耳で、電源電圧の違いによる音の変化を体験している人は、いるわけだ。
Mさんのように自身のシステムで、という人もいるし、
たとえばMさんやすでに実践している人のところで聴いて、
音の変化を体験している、という人もいることだろう。
私が聴いているのは、いまのところ、メリディアンの218での音の変化だけだ。
ほかの機種でも音は変化するが、その変化の仕方がどの程度なのかまでは、
いまのところなんともいえない。
それでも小さくない音の変化はある、とはいえる。
そうなると、200V、240Vでの音を聴いている人たちは、
オーディオ雑誌に掲載されている試聴記事を、どう捉えていることだろうか。
私は218を使っているから、
218は200Vで聴いてほしい、と思ってしまう。
是枝氏はリン用に製作されていたわけだから、
リンの製品を、240Vで使っている人もいる。
その人たちも、そう思っているのかもしれない。
ここは日本なのだから、100Vでの音が、そのオーディオ機器の音とはいえる。
けれど内部の変更なしに、200V、240Vにも対応しているのだから、
200V、240Vでの音が、そのオーディオ機器の本来の音といえるのではないか。
REPLY))
いくつか試したのですが、確かに200Vの方が音がいいです。ご指摘のようにスイッチング電源は100-240V対応ですが、オーディオ機器の電源は、電圧というより配線方法が影響すると考えます。
コンセントを使ったLAN配線で、PLC方式があります。これは100V配線の50/60Hzに高周波信号を乗せて、家庭内でLANを使う仕組みです。つまり電源配線は、高周波信号を搬送できるし、意図せざるノイズも運んでしまいます。
家庭では単相三線式の配線ですが、三線のうち中性線と片側を使うのが100V。中性線を使わない二線が200Vです。これだと家庭内の他の100V機器が発生するノイズが、中性線経由でオーディオ機器にも影響します。中性線を使わない二線の200Vは、100Vで発生したノイズに対して半分しか影響を受けないので、それが音質に有利になります。あいにくこれを実証する測定機材を持ち合わせておりません。
家庭内で手っ取り早く200Vを使うのなら、エアコン専用電源があります。ドライバー一本で分電盤の中で回路構成を変えられます。正式には作業に電気工事士の資格が必要です。接続がわかって自分でできるならそれもありですが、火災の原因にもなりかねないので、安全に配慮してください。