スイッチング電源のこと(その6)
スイッチング電源では、平滑コンデンサーにかかる電圧は、入力される電源電圧によって違ってくる。
100Vと200Vとでは、平滑コンデンサーにかかる電圧がそれだけ違ってくる。
つまりスイッチング電源で、100Vから200V(もしくは240V)まで対応するには、
高い電圧のほうに、コンデンサーの耐圧をあわせることになる。
交流を整流し平滑して直流にする。
けれどこれだけで完全な直流になるわけではなく、
リップルという小さな波が残ってしまう。
リップルが小さければ小さいほどいいわけで、
コンデンサーの容量は、このリップルと密接に関係してくる。
簡単にいってしまえば、コンデンサーの容量が大きいほどリップルは小さくなっていく。
けれどコンデンサーには耐圧という制約がある。
耐圧が高いコンデンサーと低いコンデンサーである。
この二つのコンデンサーのサイズが同じならば、
耐圧の低いコンデンサーのほうが容量は大きい。
それから実際に電源回路に使った場合、
消費電流が少ないほど、同じ電源電圧、同じコンデンサーの容量であっても、リップルは小さくなる。
ほかの条件が同じでも、電流が大きくなればリップルも大きくなる。
電圧に関してはどうかといえば、電流が同じであれば、
電圧が高い方がリップルは小さくなり、低くなればリップルは大きくなる。
どういうことかというと、240Vの電源電圧まで対応できるスイッチング電源であれば、
平滑コンデンサーの耐圧はそれだけ高いわけだし、リップルに関しては有利になる。
それを100Vで使うとなると、コンデンサーの容量は変らず、電圧だけが低くなるわけだから、
リップルに関しては不利になる。
240Vと同じリップル率にするには、100Vではコンデンサーの容量を増さなければならない。