スイッチング電源のこと(その7)
メーカーは100Vの電源電圧であっても、
十分な容量のコンデンサーを搭載している、というはずだ。
けれど、このことは240Vで使用すれば、
コンデンサーの容量にかなりの余裕がある、ということになる。
平滑後のスイッチング電源でリップルは抑えている、と、またメーカーはいうだろう。
たしかにそうだろうが、それでも音は変らない、といえるだろうか。
でも、それは整流・平滑のあとに定電圧回路を入れているから、
電源トランス、ダイオード、コンデンサーなどによって音は変らない、というのと同じことだ。
スイッチング電源では、入力される電源電圧によって音は変化しない──、
そうであってほしい、といちばん願っているのはオーディオマニアなのかもしれないが、
現実には音は変ってくる。
音が変る──、ということで喜ぶオーディオマニアも意外に多いのかもしれないが、
私は変ってほしくない、と思う側だ。
でも変る以上はなんとかする必要がある。
自分で設計し自作するのであれば、
スイッチング電源の場合、最初から100Vに限定しておくのがいい。
けれどメーカー製の場合はそうはいかない。
メリディアンの218も、平滑コンデンサーの耐圧は450Vとなっている。
100Vに限定すれば、耐圧は半分以下におとせる。
そして、その分、同サイズのコンデンサーならば容量は増える。
218(version 10)とは、このコンデンサーの交換のことである。
でも別項「218はWONDER DACをめざす」で書いているように、
部品の交換はやらないと決めている。
ならばどうするか。
電源電圧を昇圧するわけだ。