Noise Control/Noise Designという手法(鼓童 1985年シアターアプル公演・その1)
e-onkyoのサイトには、無料サンプル音源のページがある。
現在、18の音源が無料でダウンロードできるが、
私が関心があったのは二つだけだった。
一つはインバル指揮のマーラーの交響曲第一番の三楽章の一分三十秒ほどのトラックだ。
この音源は、マルチマイクロフォンとワンポイントマイクロフォンの両方がある。
この聴き比べは、なかなか楽しい。
もう一つは、「鼓童 1985年シアターアプル公演」である。
タイトルでわかるように、大太鼓の公演のライヴ録音。
1985年となっているが、出だしのノイズの量は、
この時代の録音とは思えぬほど多い、というか盛大である。
おそらくノイズリダクションを使っていないのだろう。
192kHz、24ビットで配信されている。
冒頭のノイズ、それから最初の一発目の太鼓の音。
ここまでで、かなりのことがわかる。
冒頭のノイズの聴こえ方は、実によく変化する。
ノイズの粒子感。
粒子の大きさ、硬さ、丸っこい感じの粒子なのか、
それとも角がとがっていたり、ごつごつした感じの粒子なのか、
それから粒子の散らばり方など、
なれてくれば、このノイズのところだけで、けっこうなことが判断できる。
そして一発目の音。
太鼓の大きさが、まず違って聴こえる。
それから太鼓に張ってある皮。
皮らしく聴こえなくてはならないが、
皮ではない、別の材質のようにも聴こえることもないわけではない。
そして皮の張りぐあい。皮の厚み。
そういったことも変化してくる。
二発目の音は、軽く叩かれる。
一発目と二発目の音の大きさの対比が、ノイズの大小とともに変化してくる。