MQAで聴きたい“the GULDA MOZART tapes”
ユニバーサルミュージックがMQA-CDの発売にあたって、
体験サンプラー盤も同時に発売した。
2018年秋、audio wednesdayでメリディアンのULTRA DACを初めて聴いた日、
通常のCDとMQA-CDの比較試聴のために、これらサンプラー盤も聴いた。
クラシックのサンプラー盤には、カラヤン指揮の「ツァラトゥストラはかく語りき」があった。
もう30年ほど聴いていない「ツァラトゥストラはかく語りき」なのだが、
試しに、と鳴らしてみた。
通常CDでは、かなりテープヒスに耳につく。
録音年代を考慮すると、このくらいのテープヒスはあたりまえのレベルといえる。
MQA-CDにしてみる。
まず驚いたのはテープヒスの鳴り方だ。
プログラムソースが同じでも、優れたアンプとそうでないアンプとでは、
ノイズの聴こえ方、散らばり方がそうとうに違う。
耳障りに聴こえてしまうアンプと、
音楽が鳴りはじめるとノイズはバックグラウンドになってしまい、
さほど耳につかないアンプとがある。
MQA-CDは、まさにそうだった。
優秀なアンプの鳴り方に共通するところがある。
MQA-CDにノイズリダクション作用が備わっているわけではない。
それでも、なんらかのノイズリダクションを持っているのでは? と疑いたくなるほど、
見事にノイズが音楽の背景となるレベルまで下ってしまった。
ずいぶん以前に別項で書いているグルダの“the GULDA MOZART tapes”。
これがMQAで出てくれたならば、とだから思ってしまう。
マスターテープがカセットテープの“the GULDA MOZART tapes”は、
テープヒスがかなりひどい。
それでも、“the GULDA MOZART tapes”で聴けるモーツァルトは、
まさしくグルダのモーツァルトであり、最上のモーツァルトの、数少ない一つである。
MQAで聴けるようになったら、どれほど素晴らしいことか。