黄金の組合せ(その28)
つまりJBLの、1970年代後半以降のスタジオモニターと、
同時代のマッキントッシュのアンプの組合せは、
黄金の組合せなんかじゃない、と私は断言する。
それでもインターネット、SNS上には、
これこそ黄金の組合せ、とあったりするのはどうしてなのか。
この時代になると、ジャズといっても、多彩になってきている。
録音も、器材の変化、方法の変化などがある。
ジャズにとっての黄金の組合せ、というふうにくくっても、
私には、そうとは思えない。
いまでもそういっている人たちは、いったいどこで黄金の組合せを目にしたのか。
ほんとうに目にしたのか。そのことすら疑いたくなる。
では、瀬川先生が、4343の組合せとして、
マークレビンソンのML2以前は、
マークレビンそのLNP2とSAEのMark 2500のペアを、よく組み合わせられていたし、
瀬川先生自身、この組合せを愛用されていた。
だからといって、4343、LNP2+Mark 2500が黄金の組合せかというと、
誰もそんななことはいっていな。
瀬川先生もいっていない。
私も、この組合せを一度も黄金の組合せだ、というふうに考えたこともない。
憧れの組合せではあったし、その時点での理想に近い組合せのようにも思っていた。
思うのだが、黄金の組合せという表現を使いたがる人は、
白黒つけたがる人、はっりきと順位を決めたがる人なのではないのか。
黄金の組合せの「黄金」は、そういう人たちにとっては金メダルという意味なのか。