4343と国産4ウェイ・スピーカー(その4)
4ウェイ・スピーカーシステムといっても、開発の方向性はいくつかある。
3ウェイ・システムをベースにして、スーパートゥイーターもしくはサブウーファーを加えたもの、
同じく3ウェイ・システムのベースでも、中低域に専用ユニットを加えたもの、
2ウェイ・システムを中心にして、スーパートゥイーターとサブウーファーを加えたもの、などがある。
スペンドールのBCシリーズを参考例としてあげる。
スペンドールは、1969年に第一作のBCIを開発した。
ウーファーは、BBCがBC2/8MKIIと呼ぶ20cm口径のベクストレン振動板のコーン型。
トゥイーターはセレッション製のドーム型HF1300。
型番のBCはベクストレン(Bextrene) の頭文字Bとセレッション(Celestion) の頭文字Cを組合せを表している。
このBCIをベースに、ウーファーの耐入力を向上させ、
スーパートゥイーターとして、当時ITT参加にあったSTCの4001を追加し、3ウェイとしたのが、
1973年に発表され、日本でもロングセラーモデルとなったBCIIである。
BCIIの成功は、BCIIIの開発へとつながる。
BCIIIは、BCIIの低域のワイドレンジ化を図ったモデルで、BCIIと同じユニットに、
30cm口径のベクストレン・コーン型ウーファーを追加し、
エンクロージュアもひとまわり大きなものとなっている。
BCIIのクロスオーバー周波数は、3kHzと13kHz。BCIIIは、これに700Hzが加わる。
BCI(2ウェイ)から始まり、BCII(3ウェイ)、BCIII(4ウェイ)へと、BCシリーズは発展し完結している。