2019年をふりかえって(その6)
今年は、KEFのModel 303をヤフオク!で手に入れた。
40年ほど前のスピーカーシステムを、
それも中級クラスのスピーカーシステムを、いまごろになって自分のモノとした。
303というスピーカーについては、これまでにも何度か書いている。
1980年ごろ、見た目は地味ながらも、その音は高く評価されていた。
価格的には、日本の598スピーカーと同じといえる。
けれどウーファーの口径も小さいし、ユニット構成も3ウェイではなく2ウェイだし、
なによりも軽い。
アンバランスな要素は、まったくない、といえる設計である。
とはいえ40年前のスピーカーである。
送料無料で、かなり安く落札できたからといって、
いまさら……、という気持がまったくなかったわけでもない。
中古のスピーカーは、見た目だけでは判断しにくい。
自分の手で鳴らしてみないことには、コンディションについての判断はできない。
それでも303を入手したのは、単に欲しかった以外にも理由があって、
その理由も強かったからでもある。
いまヤフオク!で、20年、30年以上前のオーディオ機器を落札している人たちは、
おそらく私と同じ世代か上の世代がメインなのかもしれない。
若かった時、買えなかった──、それをいま手に入れている感がある。
でも、その一方で、オーディオに興味をもった10代の人たちはどうなのか、と思う。
私のころは、ほぼすべての価格帯に万遍なく製品があった、といえる時代だ。
いまはそうではない。
いまの10代は、どこからオーディオをスタートするのだろうか。
この疑問がある。
そして、どこからスタートしたらいいのだろうか、とも考える。