世代とオーディオ(その表現・その8)
私が10代、20代のころ、
インターネットに接続できる環境はなかったし、
SNSも当然なかった。
オーディオについて何かを書いたとしても、
それを不特定多数の人に向けて発表できる場はなかった。
いまは違う。
スマートフォンがあれば、いつでもどこでも接続できるし、
SNSもあるから、書くだけで公開できる、という環境が揃っている。
オーディオマニアも世代によって、違っている、ともいえるし、そうでもないといえるし、
世代による違いよりも、結局は個人の違いのほうが大きい、ともいえる。
それでもオーディオを始めたころから、
SNSがある世代とそうでなかった世代とでは、明らかな違いがあるようにも感じている。
いつでも、思ったこと、感じたこと、考えていることなど、
公開した、と思えば、すぐにできる。
そこに、「いいね」がついたりする。
会ったこともない人たちからの反応がある。
そういう世代のすべての人たちが──、とはいわないが、
一部の人たちは、反応を意識してのSNSの利用なのではないか。
そんな気がしてならないのだ。
他人の目(評価)なんて、まったく気にせずにオーディオを楽しめばいいのに──、
そう思うのだ。
SNSに捕われてしまっていることに気づかないままでいいのか。