賞からの離脱(BCN+Rの記事・その2)
BCN+Rの記事の最後には、
《しかし、一番厳しい目は消費者の購買行動そのものだ。市場の洗礼を受ける前に専門家だけで製品の序列を決めてしまうことには、やはり大きな疑問が残る》
とある。
これが消費者不在のグランプリを容認してしまう、ともある。
そのとおりといえば、そのとおり、である。
でも、考えれば、市場の洗礼を、すべての製品が等しく受ける、ということはあるのだろうか、
という疑問がわいてくる。
例えば新製品が、12月とか4月とか、決った時期に各社から一斉に発売されるのであれば、
まだわからなくもない。
実際はそうではない。
1月に出る新製品もあれば、夏ごろとか秋が過ぎて、とか、
さらには12月ぎりぎりに登場したりする。
1月の新製品と12月の新製品とでは、一年近い差があるわけだ。
2019年に発売になった新製品を、
2020年に評価するとしよう。
それで市場の洗礼を受けたことになるだろうが、
1月の新製品と12月の新製品とで、市場の洗礼が等しい、とは誰も思わないだろう。
それに新製品を出すメーカーとしては、
早くに新製品を出したメーカーにすれば、発売後約一年後に賞という形で評価されるのを、
どう思うだろうか。
BCN+Rの記事は、そのへんの事情をどう考えているのか。
雑誌の、現在の賞の在り方が、いまのままでいいとはまったく思っていないが、
だからといって、BCN+Rの記事は現状を無視しているだけでなく、
どこかケチをつけるためだけの記事のようにも思えてくる。