Date: 10月 15th, 2019
Cate: 音楽の理解
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音楽の理解(平均律クラヴィーア曲集、ベートヴェンの後期ソナタ・その3)

味わえば味わうほどに、平均律クラヴィーア曲集はますます美しくなる、
味わえば味わうほどに、ベートヴェンの後期ソナタはますます美しくなる。

味わえば味わうほどに、ということは、くり返しくり返し聴く、ということでしかない。

くり返しくり返し聴くために必要なものは、それこそが美しい音なのかもしれない。

いい音と書こう、とした。
けれど、いい音と書いてしまうと、そうとうに認識が違ってくることがわかっているから、
美しい音とした。

美しい音にしても、単にきれいな音を美しい音と勘違いしている人も少なくないし、
こちらも認識が、人によって大きく異っているのはわかっていても、
それでも美しい音とした。

精度の高い音、精確な音、
そういう音をひたすら目指していく。
そういうことも必要なのはわかっている。

それでも、それだけではどんなにしても到達できない領域があって、
その領域を目指すのか目指さないのか。

表現を変えれば、その領域が視えているのか視えていないのか、である。

そこをどう判断するのか。
結局、聴くしかない。

バッハの平均律クラヴィーア曲集を、
ベートーヴェンの後期のピアノソナタを、
美しくしていくために。

それが、レコード音楽(録音された音楽)を聴く上での、
音楽の理解だと確信している。

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